横浜市立大学 【整形外科】

横浜市立大学整形外科
<はじめに>

横浜市立大学医学部は1949年に開校した横浜医科大学を前身とし、整形外科教室も今年で開講63年を迎える歴史のある教室です。附属病院本院は横浜中心部から車で15分程であり、634床を有する病棟からも海が一望できる場所に立地しており周辺の金沢八景には緑も多く自然に恵まれています。一方分院である市民総合医療センターは横浜中心部に位置し、720床を有します。この2大学病院を中心として、神奈川県内の基幹病院を中心とした24の関連協力病院に医師を派遣しており、充実した研修を積むことが可能です。専門分野としては膝関節、股関節、関節リウマチなどの関節外科をはじめ、脊椎脊髄外科、手の外科、腫瘍、小児整形、スポーツと各分野の第一線で活躍する指導医がおり、どの分野でも偏りなく研修することが可能です。国際都市横浜として、海外学会発表や海外留学の機会、海外の先生との交流なども大切にし、また毎年全国の各大学から多くの入局者がいるため自由で開かれた雰囲気が特徴的です。


整形外科教室の基本情報
医局員数:     約180名
同門会員数:    約440名
関連協力病院:   24病院
毎年の新入局者数: 10〜15名
入局者出身大学:  全国の国公立大学、私立大学

<横浜市立大学整形外科の特徴>

当教室の特徴として、第一に毎年多くの大学から入局者が加わるため、出身大学が非常に多彩で、学閥や閉鎖的な雰囲気が全くないという点が挙げられます。実際に准教授、講師、助教などの大学スタッフも出身大学が様々であります。臨床面においては伝統的に膝関節外科、特に高位脛骨骨切り術に関して有名であり全国から患者さんが集まります。その他の各分野においても臨床、研究の両面において大学を中心に各関連協力病院と連携しながら充実した研修が行えます。近年は女性医師の入局者も増加しており、出産や育児など個々の状況に合わせて勤務できるよう、産休制度や「育児Dr」制度を利用する先生も増えています。近年の取り組みとして、専門医取得後のサブスペシャリティをより高めるための「スペシャリスト育成コース」を設けており、より専門性を高めるための研修を継続できるようなシステムを作っています。

毎年多くの入局者がいるために、若手が多く活気に満ちています。運動部出身の先生が多く、サッカーや野球などの学会主催の大会などには毎年チームを編成し盛り上がります。年数回開催される若手向けの研修会では多くの先生が参加し、横のつながりだけでなく、講師を勤める先生たちとの上下のつながりも大切にします。また神奈川中に開業されている同門の先生方との病診連携もスムースであり、年2回、同門談話会を開催し症例報告、特別講演、懇親会などを行い同門会としてのつながりを強めています。そのため病診連携も非常に円滑に運びます。

学会発表など研究面にも力を入れており、国内学会のみならず毎年多くの先生が海外学会に発表します。特にアメリカで開催されるORSやAAOSといった大きな国際学会において、毎年10名以上の先生が参加し、研究成果を発表しています。英文論文投稿を積極的に行い各研究グループ、大学院生を中心に毎年多くの論文が発表されています。


60周年記念祝賀会時の記念撮影


<大学病院における各種カンファレンスについて>

1.外来カンファレンス
毎週月曜日の朝に行われます。実際に患者さんに来院して頂き、スタッフ全員の前で診察を行います。整形外科における様々な理学所見は実際の診察を目の前でみることによって明らかになる部分が多く、診療の面でも重要なカンファレンスであると同時に、シニアレジデントにとっては所見のとりかたのコツなどを実際に確認できる貴重なトレーニングの場ともなります。

カンファレンスの様子
2.術前カンファレンス
次週分の前手術について1例ずつ画像所見や術式について確認し問題点がないかチェックするカンファレンスです。手術適応について問題がありそうな症例についてはクリニックの垣根をこえて質問や意見を出し合います。
3.研究カンファレンス
毎週火曜日の朝に行います。大学院生を中心として進行中の研究についての状況をプレゼンし、問題点などについて話し合います。また研究をはじめる前段階でのプロトコールなどもこのカンファレンスでチェックします。学会発表の直前には発表のリハーサルを行い、質問や問題点などが指摘されます。

4.抄読会
毎週水曜に持ち回りで抄読会を行い、最新の英文論文の内容について発表してもらいます。若手の医師にとっては慣れない英文論文を読むよいトレーニングになります。

5.術後カンファレンス
術後の問題症例や新しい術式、珍しい症例などについて術中写真を交えながらプレゼンしてもらいます。手技上の反省点なども指摘される貴重なカンファレンスです。

<診療について>

大学病院ではクリニック制をとり、膝、脊椎、股関節、上肢腫瘍、リウマチ、小児と各専門分野のごとに分かれて診療にあたります。先進医療などにも積極的に取り組み、専門性の高い診療を実践しています。膝クリニックでは伝統的に変形性膝関節症や膝骨壊死に対する高位脛骨骨切り術に力を入れており、累積症例数は国内でも有数であり全国から紹介患者を受け入れています。その他のクリニックも先進医療など最新の技術を取り入れつつ、これまでに培われてきた技術、例えば関節温存手術なども大切にしています。大学病院のみでなく関連協力病院には脊椎、手の外科、リウマチ、スポーツ、小児整形、腫瘍など各分野のスペシャリストがそろっており、各々の領域に関して充実した研修を受けられます。

コンピューターナビゲーションを用いた人工関節手術

<研修について>

大学病院本院と市民総合医療センターの2大学病院を中心に、神奈川県内を中心とした各中核病院と連携した研修を行います。入局後最初の3年間で大学病院と市中病院をバランスよくローテートすることにより整形外科の基本的な考え方、診察手技、プレゼンテーション手法、研究に対する考え方、学会発表(これらは基本的に大学病院で)、外傷、骨折を中心とする基本的手術手技、診療全般の実践による習得(これらは主に市中病院で)を目指します。大切なことはこれらの何かに偏ることなくバランスよく研修を行うことだと考えます。その後3年間でさらに知識、技術ともに深めるため大学院での研究や市中病院での研修、あるいはその両方を兼ねる社会人大学院という選択があります。いずれにせよ入局後6年間で日本整形外科学会専門医を取得することを目標とします。

専門医取得後はそれぞれの専門分野をさらに深めてもらうためのスペシャリストコースや、研究や海外留学などを目指す道、市中病院診療の中心となり後輩への指導を行う道など様々です。それぞれの先生がモチベーションを維持できるようなシステム、環境作りに医局としても積極的に取り組んでいます。


横浜市大整形外科の研修プログラム概要


横浜市立大学 整形外科ホームページ:http://www.yokohama-seikei.jp/index.html

【お問い合わせ】
横浜市立大学 整形外科 医局長 小林 直実
TEL:045-787-2655(医局)
FAX:045-781-7922
E-mail:contact@yokohama-seikei.jp